目次〜2005年01月〜
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■2005/01/31:荒月雷太-オフレポ
■2005/01/28:オフィスラブ
■2005/01/25:僕の彼氏を紹介します
■2005/01/21:ビッチボーイズ
■2005/01/20:貧乏揺すり−僕はしない
■2005/01/16:やっちまった
■2005/01/13:デッドリーにバッドリーなカーチェイス
■2005/01/11:代打日記Byなるさん <化粧なんて似合わない>
■2005/01/07:全国not1人オフ第二弾 in 福岡 視聴者さなえ貴婦女の声
■2005/01/06:踊る小人
■2005/01/02:全国not1人オフ第二弾 in
福岡
■2005/01/31:荒月雷太-オフレポ
2005/01/29に東京は新宿で開かれた荒月雷太ってなオフ会に参加して来ました。
![]()
友達の輪が極端に狭い僕もお友達を増やそうと参加してみたのですよね。
いや凄かった。
1次会で47人。
2次会で45人。
しかもおにゃにゃのコの方が多いのな。
なんてか人気サイトのイケメン管理人が3人集って開かれたオフだったのだけれども、やっぱスゲーオーラ放ってましたわ。
でね、こりゃチャンスじゃない?
おにゃにゃのコ達と仲良くなれないわけがないじゃない?
なんての?
いやな、1次会は確か6人テーブルが8つくらいあったのだけれども、なんか僕が座ったテーブルだけ男が6人。
もうなんか最初からありえない状態になってらっしゃるもの。
もちろん席は好きなところに自由に座っていいのだけれども男が6人。
僕が座ったテーブルだけ男。
なんだこれ。
いやいや友達を作りに来たわけですからね、別に男だってかまいやしませんよ?
「asukaさんてどんなサイトやってるんですか?」
「変態サイト。」
・・・
--
とまあ冗談ですが、いや冗談じゃないんだけれども楽しませて頂きました。
感謝多謝でございます。
■2005/01/28:オフィスラブ
やあ、みんな。
清々しい今日という素晴らしい日を迎えているかい?
おっと、そこの君ぃ!
いけないなあ、嫌なことがあってもそんなふてくされていたら美人が台無しだぜ?
おお!?そこの君は良い顔してるね。分かるよ。恋してるんだろ?
十把ひとからげに区別がつかない渾然一体型のオフィス。
こういった集団生活において恋愛を出来る人間ってのは僕にとっては理解し難いものがあった。
何を食って育ったら同じ空間で吐いた他人の息を吸って、他人がすけかました屁を吸って、
そんな中でどうしたら恋愛なんか出来るものだろうと思ってた。
でもな、違うんだよな。違うのよ。
もうな、人を好きになるなんて物理的に考えるものじゃないもの。
僕の職場の環境は恋愛するも何も、開発室とか呼ばれる部屋に僕を含めて4人の人間がいるのだけれども、
なんてかみんな生えてるし、恋するレベルとかそういう次元じゃないのですよね。
以前もちょっくら紹介したことがあるのですけど、その時からは1名減りまして現在は4人。
K林:彼女に金を貸すのが趣味な駄目男。(現在30万貸し) - O型
K村:風俗嬢と付き合ってるちょっと違う人。 - AB型
ヒゲ:なんかモルモン教。 - A型
僕:品行方正。清廉潔白。容姿端麗。 - B型
ってな、恋の「こ」の字も飛び交わない環境なのですよね。
微妙に血液型が全員違くて気持ち悪い。
恋とか語る以前にもう少しまともな人に変えてくれ。
でもね、でもですよ?
なんてか、ちょっと人が足りないと言うことで別の部署から人員の要請があったのですよね。
でな、僕も日記とか書いて忙しいフリとかしているのですけど問答無用に僕に指名が来た。
「なんで僕なのですか?」ってな具合に上司に訊ねてみますと、
「僕を指して下さいってな顔してるからだよ。ふっ」ってな。
もうホントにこいつの可愛いアナルに刺してやろうかと思ったのですけど、
それでは現在僕の身体で活発に運動をしているノロウイルスとか言う病原菌が更に増えそうですからね。
どうもアナルプレイからも移るようなので我慢です。
いや、アナルプレイとかで移ったんじゃないですよ?
いや、マジですって、マジで・・・こんぐらい言っておけばいいのか?
つかマジで腹痛い。
感動したね。
普段ウンコな4人でチーム組んで嫌々仕事してますけれども、なんてかすげーのよ。
ビルのワンフロア全部貸切で人が大勢いるのな。
本来僕もここに居ていいはずなのにウンコチーム組んで仕事してるのかと思うと少しだけ泣けてきた。
僕も僕でいっぱしの社会人ですから仕事はきちんとしなければなりません。
与えられた仕事をこなして少しでも自分の名前を売って、
asukaって使えるなあーなんて思わせて早くウンコチームを抜ける必要があります。
早速御呼ばれしたチームリーダに説明を聞いて、仕事の内容を伺うと・・・
なんての?
もうね、右から左っての?
全然頭に入らなかった。
いやね、すんげぇー美人なのよ。
IT業界のおなごに関する3つの心得ってのがあって、
1.ブス
2.90%が処女
3.社内結婚
ってな具合になっているのだけれども、とにかく可愛いのよ。
いやね、残念ながら左手の薬指に奴隷の輪みたいなのがあったのですけれども、
もうね、とにかくふくらはぎが綺麗なのですよね。
ああ、コンチクショー!
毎日御主人様にふくらはぎをプニュプニュベロベロされてるんだろうなあ・・・
なんて想像しただけで股間に力が入って机が軽く浮いてたもの。
そんな暴れうしどりを抑えつつ必死に集中しようとするのだけれども、
頭の中ではチームリーダーとバーチャルにセックスするビジョンしか浮かばないし、
油断すると変な汁とかこぼれてきそうだしで大変変態だった僕とその息子。
彼女が去っていった後も彼女の触ったキーボードとか何気に匂いかいだもの。
クンクンクンニがクリトリスってな具合に。
まあ、そんな上機嫌な鼻歌を隣の見ず知らずのオタクが僕を可哀そうなコのよに見ていたので、
「このクンニがっ!」って言ってやりました。
心の中でな。
とまあ、極上のふくらはぎを持つチームリーダとも次第に心がメルティに溶けあっちゃいまして、
僕が遅くまで残業とかしてると気にして声とかかけてくれるのな。
「asuka君『平気』?」
「はい。(僕の『兵器』は貴方にむかってズンドコブシです。)」
「『無理』しないでね?」
「はい。(『クリ』しないでだなんて嫌よ嫌よも好きなうちなのですよね。ぺろりんちょ。)」
なんてすこぶる爽やかな会話が飛び交っていたのですよね。
もうね、これぞ、これが、これこそオフィスラブだった。
そんなある日事件は起きた。
いやもうホント現場というか会議室で起きた。
こちらお分かりでしょうか?↓

USBメモリーだとか称されるものでして、
パソコンのデータを入れて持ち運び可能ななんとも画期的なアイテムなのですよね。
プロジェクトも順調に進み顧客を会議室に招いてプレゼンを行う時にですよ。
僕の成果がつまったデータを愛用のUSBメモリに入れてな、心トキメクチームリーダへ渡したのな。
ノートパソコンでプレゼンをするためにデータの受け渡しをしたのですよね。

あれ?
もう一度見てみましょうか。
ズンッ!

いやな、人間だれしも気になるじゃない?
それは分かる。
でもな、なんてか会議中にお客さんの前でそんな怪しい画像を開いちゃ駄目じゃない?
それくらいはチームリーダになるくらいだから配慮して欲しかったし、
僕も整理したはずのUSBメモリにこんなものが入っているなんて思いもしなかった。
静まり返る会議室。
血の気の引いた僕と・・・おそらくはチームリーダの彼女もひいたのだろうな。
絶句する顧客。
画像を開いてから2、3秒時は止まったのだけれども、その後は流石と言わんばかりにプレゼンを勧める彼女。
開始直後の2、3秒を除けば全てうまく言ったと思える会心の出来のプレゼン。
顧客からも幕開けの不手際には気にしていないと言わんばかりの絶賛のしようだった。
僕の方もあんな小さなことはいつまでも抱えるものではなくて忘れようとしていたし、何よりも彼女にお疲れ様を言いたかった。
「お疲れ様。」
・・・
うん。
なんか二度と口利きいてくれなかった。
なにがオフィスラブだよな。
バカらしくてやってられっか。
なんだあのメスブタ。
いや、、、でもな、そりゃそうだよな。
こんな画像をお宝と賞賛する奴とは僕だって口を利きたくない。

■2005/01/25:僕の彼氏を紹介します
人はその生涯の中で、一体どれだけの人に出会い、どれだけの人と会話し、どれだけの人と交わるのだろう。
またその中でどれだけの人と友好な関係を築けていけるのだろう。
それは人それぞれの心の中に誰かの心に繋がる何百、何千、何万という扉があって、
その扉が僅かな時間だけ全て開いた場合にのみ巡り会える事が出来るような、限りなくゼロに近い確率なのかもしれない。
もしかしたら扉は途中で閉じてしまうかもしれないし、もしかしたらある扉を通り抜けた瞬間にどこか違う道を歩むことになるのかもしれない。
僕は特定の人間と友好的な関係を築ける可能性を思うと、
奇跡に近いものであると同時に必然性を帯びているような、なんとも神秘的な気分に味わうことが出来る。
以前にも記載したのだけれども、自分のペットや友人を人にとやかく言うものではないと思うのですよね。
それは当人にその気がなくとも相手側には自慢に聞こえ、あまり気持ちのいいものではないからだと思うのです。
しかしそれでも人間というものはその対象が自分にとって大きければ大きいほど語りたがるし伝えずにはいられないものであって、
申し訳ないのだけれども僕の茶番に少々付き合って頂ければ幸いだと思う。
今更言うことでもないとは思うのだけれどもな。
はーい。
と言うわけで僕のお友達だよー。

担ぐ担ぐ。
誰のか知らないけれどもそこにチャリがあれば担いじゃうんだー。

上る上る。
そこに行く手を阻む壁があるなら乗り越えていく男さ。

守る守る。
俺がルールだと言わんばりにそこにルールがあれば塗り替えるのさ。

壊す壊す。
俺が標識だとばかりにそこに標識があれば破壊す・・・
( ̄□ ̄;)!!!
参考までに道路標識賠償額を見てみよう。
| 公共物破損 罰金額表 | |
| コンクリート電柱1本(NTT通信用8m) | 22000円程度 |
| 街路灯用柱1本(鋼巻、1灯型8m) | 95000円程度 |
| 交通信号用ポール 1本(9m) | 83800円程度 |
| ガードレール1m当(路側、コンクリート用) | 7620円程度 |
| 案内標識 1平方メートル当(カプセルレンズ型) 路線番号 1平方メートル当(カプセルレンズ型) 警戒標識 1平方メートル当(カプセルレンズ型) 規制標識 1枚当(カプセルレンズ型、アルミ板) |
87000円程度 72600円程度 70100円程度 10900〜26800円程度 |
| 道路反射 鏡鏡体、1面、アクリル | 28900円程度 |
いやあ、まああれだな。
きっと始めから壊れてたんだよな。
こんな熱い友達嫌だ。
■2005/01/21:ビッチボーイズ
マンコだった。
とにかく際どいマンコだ。
激動の潮風に紛れ下方からすこぶるほじくり返される様は堕天使の午後の香りを思わせた。
岩場の上には一本のすね毛も許されないと言わんばかりに、
透き通るような白いふくらはぎが、ひたむき且つ真摯に寄せては砕け散る波しぶきという衣に包まれ、
両足が描く格好はまさしくダイヤの型(◇)を歪にも美しく模っている。
そして彼女は際どい秘所の幅3cmばかりの最後の砦をためらいもなく左腿の側面に寄せ、
大胆不適にも自分のモノをしなやかな細い指で何度も奏でた。
何度も何度もだ。
僕が小学校の頃は夏になると従兄妹のオヤジ(母方の兄)に連れられて伊豆の海に行っていたのだけれども、
そこでとんでもないものを見たのですよね。
いや、もうなんてかマンコを見た。
もっと言うとマンコを奏でる少女を見た。
従兄妹のジュンとは同年代で仲がよかったものですから、
海着くや否や銛を持って潜っては魚を取っていたわけなのですよね。
この集まりは親戚一堂が一気に揃うわけで、知らない輩だの始めて顔を合わせる輩だのが多いわけなのですが、
まず目につくのはいつの時代も同じで、ずば抜けて飛び抜けた、吐く息さえも全て吸い返したいと思うような冷汗の出る様な美人なのですよね。
マドンナは中学2年生のおにゃにゃのコだったのだけれども、
全身もち肌で作られら完璧な身体つきに完璧な肌のきめ細かさ、
強いてはその確固たる気品は高貴な女性を思わせ僕とジュンの股間を終始休ませることはなかった。
彼女の魅力の虜になりながらも、浜辺に着くと僕とジュンはその淡い夢から自ら飛び出るように銛を持って海へ向かった。
その夢は当時の僕らには恐ろしいくらい心地よくて、
このまま浸かっていると自分と言う生命が削り取られてしまうのではないかと錯覚させるほどだった。
脳裏にこびりついた狂おしく愛しい記憶を振り払うかのように銛を構えた。
魚を刺し、とぐろを巻いてるうつぼを指し、目に映る海中の世界を荒らした。
軍手を装着した僕らはウニをとっては岩場に上がって投げては銛で打つなどして遊んでいたのですけれども、
打ったウニの方へ目をやった、まさにその時だった。
もうなんてか一言で言うとマンコだった。
二言で言うとハミマン。
三言で言うと マ・ン・コ だったのだけれども、
マドンナが岩場でハミマンをしてマンコをいじくっているではありませんか。
ハミマンとかそういうレベルははるかに超絶していて、もう誰がなんと言おうがマンコをいじくってた。
恐らくはクラゲか何かに刺されて身体の反応が脳に痒いと言うメッセージを送ったことに対し、
彼女は実に的確に無駄なくその対処を的確にスピーディー且つ敏速に施していたのだろうけれども、
理解を遥かに凌ぐ度迫力な豪傑さに僕とジュンは悶絶必死だった。
完璧な人間が完璧な指で完璧な格好で完璧なマンコを、、、マンコを完璧に弄くり奏で悶える。
全然完璧じゃない。
僕は振り向いてジュンの顔を見た。
今見ているこの時空の狭間で起こっている突然発症的な刹那的の光景の一部は本物なのだろうか。
それを僕は確かめたかった。
いや、確実にジュンの顔は僕の視覚に捕らえていたんだ。
なんてこった・・・
このバカ野郎・・・
僕は足元にあったウニをジュンの股間目掛けて思いっきり投げてやった。
こういったときには全てがうまくいき、全てがうまくいかないものなんだ。
ジュンは血しぶきと共に悲鳴を上げた。
僕らは何を血迷ったのかバカ丸出しに競泳パンツを穿いていたのですけれども、
競泳パンツからはみ出したジュンの生半可な包茎ペニスは、
太陽の恵みを受けるかのようにまっすぐと背筋を伸ばし天を仰いでいて、
犬のそれを思わすかのように勃起をすると中身の亀頭が半分だけ顔を覗かせていた。
僕はマドンナに矛先を向けることが許せなかった。
その下劣極まりない淀んだ矛はマドンナに向けるべきではないのだ。
そして僕はジュンの股間にウニを投げつけてやったのです。
「酷いよasuka!」
半べそをかきながら訴え続けるジュンを尻目に僕は破裂しそうな股間の快楽にひたった。
浜辺に戻る途中で何匹が銛で魚を突いたのだけれども、岩場で虎視眈々とマンコ奏でるマドンナの姿が脳裏にこびりついて頭を離れなかった。
気がつくと僕は銛で自分の右足の踝を刺していた。
今も残るその古傷は、遠い記憶のマドンナのマンコを思わせる。
■2005/01/20:貧乏揺すり−僕はしない
「ひっく、ひっく、、、
オレかーちゃん嫌だよ。あーじいのうちの子になるよ。ひっく、、、」
僕は小さい頃母方の祖父の事を『あーじい』と呼んでいたのですよね。
もう聞くからに知能が少し低いコちゃんみたいに、じいちゃんと呼べないことが分かっちゃったりして、
さらに言うなれば、発生前に50音の始めの文字をおまじないのように長く伸ばさないとしゃべれないという酷くイタイコだったのだけれども、
とにかく僕の逃げ場は祖父だったのですよね。
毎週水曜日に祖父と祖母が僕の家を訪れてくれるのがとても楽しみだった。
帰り際に500円を渡されるのだけれども、それが1円であれ10円であれなんでもよくて、
大好きな人から貰える気持ちがとてもありがたかった。
なんてか、小学校の頃は悪さをしてはオフクロにケツをビシャンビシャン叩かれて泣かされていたのな。
あんね、普段かみさんの前では弱いサラリーマンが、
部下とか家に連れて来たときだけはかみさんの前で強気な人っているじゃない?
もろにうちのオヤジと僕なのだけれども、、、
その時もそうだったのですよね。
小学校3年の頃になると、それまで21時には寝ていたのに帰宅時間が21時になってたのですよね、
でな、やっぱ僕みたいなコはどうだっていいのだろうけど、よそ様のうちに迷惑をかけるわけもいかないじゃないですか?
慌てふためいてお袋がよそ様の家に電話するわけですよ。
「すいません。うちのasukaがお邪魔してませんでしょうか?」なんて具合にですよ。
そらね、外で遊んでるならまだしも小学生がよそ様のおうちに19時だか20時すぎまでお邪魔してるってのは、
やっぱりちょっと世間知らずってか、常識外れな部類じゃない。
「は?そうなの?」とか思った方はあれだな。まあいいや。
でな、やっちまったのですわ。
親友のエロエの家で遊んでいるときですよ、エロエと瓜二つの品の悪そうなお母様が僕を呼ぶではありませんか。
「asuka君、おかーさんから電話よ。」
まあな、小学生と言えども察しはつくじゃないですか?
早く帰って来いなんて電話に決まっているのですよね。
いやな、普段家ではオフクロなんかにゃ逆らえませんよ?
でもな、友達もいるしなんだか勘違いして強くなった気がして言ってしまったのですよね。
『あんた!何時だと思ってるの!早く帰ってきなさい!かあさん恥ずかしいわよ!』
「帰らない!まだ帰らないよー。」
『何言ってるの!エロエ君の家に迷惑だから帰って来なさいって言ってるの!』
「エロエのかーちゃんはまだいて良いって言ってるよー。」
『いいから早く帰ってきなさい!御飯抜きよ!』
「かーちゃんの飯不味いからエロエんちで食ってくるよー」
ガチャン!(電話が悲鳴を上げて切れた。)
・・・
「あれ?怒ったのかな?怒ったよな?エロエ、オレ帰るわ・・・・」
どうしてあんなことを言ってしまったのか自分でも分からないのですけれども、
とにかく死ぬな、こりゃ死ぬ。ってことだけは本能的に分かったのですよね。
鬼の様に風を切りながらチャリを爆進して帰宅する僕。
屁とかこきまくって少しでも前に進もうと思いながらけなげに鬼婆の待つ城に帰る僕。
もう鬼婆を倒そうとかそういう次元じゃなくて、いかにして沸点を超絶した鬼婆をなだめられるかが問題なわけよ。
そんなロープレあったら絶対買わないだろうけど、とにかくこれは人生を賭けた勝負なわけですよ。
負けた新聞に載ってしまいますからね。
「鬼婆飯が不味いと言われ実の小学5年生の息子の五体+ペニスを引き裂く!」ってな。
とまあ、家に着くとまず扉を開けてくれないな・・・なんて思ってたのよ。
すんごい勢いで扉が開いたかと思うとオフクロの平手が飛んできたのな。
「ふふふ、貴様の怒りごときではこのオレは倒せないぜ。」なんてセリフとかもう全然効かないもの。
倒せる倒せる。もう余裕で僕は倒れてたもの。
なんならフィギアスケート選手が回転する勢いで捻じ曲がりながら吹っ飛んだね。
あまりの速さに痛みを認識するのに5秒はかかっただろうか。
とまあ、この後は「あんたってコは・・・」から始まりのび太のかーちゃんの如く100%怒り!
果汁たっぷりな怒りを身体で覚えたわけなのですけど、なんてのかな、、、
恥ずかしい話し僕は小学校までは余裕で泣いてた。
よく考えると一年中すぐに泣いちまうんだけれども、とにかく小学校の頃は親の前で余裕で泣いてた。
泣かないと許してくれないと思ってたのもの。
でな、当然飯は食わしてもらえないしで祖父のうちに電話するわけよ。
ひっくひっく良いながら祖父に助けを求めるわけな。
なんで僕のかーちゃんはあんなに怖いの?やっつけてよ!
とか祖父の娘なのに容赦なく問い詰めるわけよ。
でな、祖父が言うにはこうだ。
「奴には逆らっちゃ駄目だ!
奴は魔界の国から訪れた鬼婆だ!
いいか?よく聞くんだぞ?
その昔な、鬼婆もまだasukaの様に魔界の小学校に通っていた時だ。
隣の男の子が貧乏揺すりをしててな、一度は注意したんだがその男の子はやめなかった。
で、どうしたと思う?」
・・・
「ズブリだ。」
・・・
「持っていた鉛筆で男の子の太股をぶっさしおったのだよ。」
-17年後 asuka26才-
「なあ、おふくろ、、、小学校の頃で一番悪いことって何した?」
『男の子を二階から突き落としたことかなあ。』
『あれ?違うなあ、一番は川に突き落としたことかなあ。』
だ、だめだ・・・このババア。
一体何人殺してるんだ。。。
「いや、あのさ、、、もし隣で貧乏揺すりとかしてる奴いたらどうする?」
『刺すよ。』
ほ、ほんとうだったんだな。
■2005/01/16:やっちまった
やっちまった!
なんて感じでその重大さを誤魔化す輩を見るとホントにいてすかない。
やはり人間てのは常日頃から緊迫した状態を保ち、
いかなる場面においても的確に対処できるよう精神を研ぎ澄ませておく必要があると思う。
そう言った日頃のだらしなさが積もりって人は駄目になって行くものだと思うし、
そう言った輩は40、50を過ぎたあたりには女子高生から嫌われる存在になるのだと思う。
やはり人はいくつになっても紳士淑女を心がけて人に不快感を与えないように努めるべきだと思う。
時は西暦1993年。
人々がセックスに狂っていたふざけた時代だ。
一人の少年が産声を上げた。
ブー!
やっちまった。
やっちまったってなことは人間だれしもあることだとは思うのですよね。
ただ僕のやっちまったってのは、通常人がしない、
人として節度を守っていれば絶対に起こらないようなことをしてしまうことがあるのですよね。
どんなにふざけている人だって、どんなに下品な人だって、
同姓同士ならまだしも、100歩譲ってピアツーピアという関係のいわゆる彼氏彼女の間柄ならまだ許せると思うのですけれど、
高校時代に思いっきり寝屁をしたことがあるのですよね。
勉学に勤しむ学生が集う中で、強烈な寝屁をぶちかましてやりました。
まあ、やったのは僕ではなくて僕の肛門なのだけれどもな。
楽しい楽しい席変えで好きなあのコの隣に座れるかもしれない。
そんな初々しい気持ちで胸は高鳴り、順番にクジをひいては学級委員が黒板に予め書かれた席枠に名前を記載していくのだけれども、
僕だけは何故かデフォルトで最前列の真中に初めから名前が記載されている。
人種差別にもほどがあると思う。
地球人どもめ。
最前列のド真ん中だろうが寝させる授業をさせる教師が悪いぜ!
なんてひ弱そうな教師だと居眠りをしていたのだけれども、
なんてか、学校の机で寝ているとゲップがこみ上げてくるじゃないですか?
少なくとも僕はあのバランスの悪い机で寝ていると不思議とゲップがこみ上げてくるのですよね。
そんなゲップを回避しようと身体をよじった時に事件は起きたのですよね。
問答無用に緩みきったケツから強烈に放たれた猛烈な臭いの屁をこいてしまったのです。
ブー!
と言う音と同時に、どうしたらこんな反射神経が身に着くのかと疑いたくなるのだけれども、
「ハイ!」
とか言いながら手を上げていた。
普段自分から積極的に授業に参加することのない僕は、
教師の質問に対して自分から「ハイ!」だなんて挙手したことはないのだけれども、
どうやら屁をこえると無意識に挙手する神経回路が確立してしまっているようです。
周りの頭がやっとその驚異的な事実に理解すると、教室は笑いの渦につつまれて、立場をなくした僕は、
「どんまいどんまい。お前等だって毎日屁くらいこくだろう?」
と言おうと思って立ち上がったのですよね。
いや、なんてか立ち上がるつもりだった。
僕は寝ている間ほぼ120%勃起するのですけれども、うねり狂ったオティンコが机にあたってつんのめってこけてしまったのですよね。
隣のブスは僕が倒れてくると「嫌だ!汚い!来ないで!」なんてのたまうし本当に恥ずかしい思いをしたことがあった。
そう少年は語った。
彼のように常日頃から節度を保っていないと時に大恥をかくことがあるのですよね。
やはり人として常に緊張していることが大切だと思う。
その少年は今どうなったかって?
会社でも余裕で屁をこく屁っこき虫になってしまったそうですよ。
■2005/01/13:デッドリーにバッドリーなカーチェイス
死ぬな。こりゃ死ぬ。
どうも20余年あまりこの不確かな世界で息をしていると、
少なくても一度や二度は生命の危機を察することがあると思うのですよね。
人間ってのはどんなにウンコでもやっぱり自分が一番可愛いと思うのですよね。
なんてか、他人のウンコの臭いとか無理ですけど自分のウンコの臭いなら絶えられるじゃない?
むしろ食べれるくらいだものな。
そんな感じで人ってのは間違いなく自分を一番に可愛がる生き物とだと思う。
そんな可愛い可愛い自分ですから、身の上に危険が迫るとそらー一大事でございます。
普段はセックスとふくらはぎのことしか考えないツルツルの脳みそを駆使して助かる術を試行錯誤するわけなのですよね。
ところがノータリンが弱った脳みそを使おうとしてもやっぱり脳足りんなわけでございまして、
そこから生まれるのは腐りきったアイデアなわけなのですよね。
潔く死んじまった方がよいかもしれない。
去年の正月始めに、かつて愛した女性に振られた僕は、
漆黒の闇の中何を思うわけでもなく車に乗ってフラフラしていたのですよね。
今この世で一番不幸な奴は自分だぜとか至極傲慢に悲劇っぷりをアピールしながら、
闇に身体をなじませて、一体感を思い、
夜空の流れ星が僕の頬を伝わって流れるのを感じながらセンシティブに心を痛めながらロマンティックにロンリネス。
常時変なギアをいじくりながら。
そのうちに自分の卒業した小学校が見たくなってその周りをうろちょろしていたのだけれども、
今から思い返せば車に乗ったオタク系のキモイにーちゃんが少女でもさらって、
イタズラでもするんじゃないかと疑いをかけられてもおかしくなかったと思う。
変なギアは膨張していたし、現にそうしようと思ってたし。
小学校の周りは道が細くて行き止まりも多かったのですよね。
路地を曲がるとそこは駐車場で、少女にイタズラするにはもってこいの場所だったのですけど、
残念ながら少女はおりませんし引き返そうとしたのですよね。
ギアをバックに入れて、、、ギアはもうカチンコチンてかチンコビンビン物語なのでこのままオナニーか?
ってなときですよ。
静寂な夜を一蹴するかのごとくけたたましい爆音が撒き散らす品のない音楽に、
腹でもくだってんじゃねーの?ってなたぬきの金玉級のマフラーが破壊的な音を生み出すではありませんか。
どうやら車の中にはセックスしか出来なさそうなパッパラパーのねーちゃん(以後パラッパ)と、
何回整形したらそんないかつい顔になるのか実にワンダフルなにーちゃん(以後ワンダフルボーイ)が乗車しておられました。
「どけ!ゴルアァ!」
ちょっと待って下さい。
何をどうしたら初対面の人に「どけ!ゴルアァ!」ってな挨拶が出来るのでしょうか?
もしかしたら流行りの挨拶なのかもしれません。
それならこちらも応えなければ失礼ですからね。
『どけ!ゴルアァ!』
まあ、何処の国に行っても挨拶はオーム返しをしておけばそれなりに通じるはずです。
僕もここは失礼のないように発音とトーンの高さを真似て何処の国の言葉か分からない挨拶をしてみました。
「ゴルアァァァァ!」
どうやらワンダフルボーイは喜んでくれたようです。
『ゴルアァァァァ!』
僕も感極まりながらその気持ちに応えます。
「あいつ殺っちゃいなよ」
パラッパが言うではありませんか。
僕だって男とヤルのは勘弁です。
ここは丁重にお断りしなければなりません。
いや、てか・・・
もうね、物凄い勢いで車を降りてこちらに向かって来てらっしゃる。
やっと分かりましたよ。
思いましたもの。
死ぬな。こりゃ死ぬ。
ってな。
僕は嫌味な性格ですから、人が理由もなしに怒りをあらわに罵声を振りかけてくると、
一体いつまで怒り狂って、この先どうなっちまうんだろうとその種の宇宙人を観察する趣味があるのですが、この趣味のおかげで
死ぬな。こりゃ死ぬ。
と思うことが多々あるわけなのですよね。
もうここまで来ないと働かないノータリンな脳味噌で悲しくなるのですけれども、
僕だって可愛い自分を嬲られるのはゴメンです。
生命の危機を感じると股間は最高潮に勃起するわけでございますが、今は変なギアに構ってる暇はありません。
急いでバックにギアを入れて下がると、ギアを元に戻し急発進します。
バックでファック!バックでファック!ってな感じです。
道が狭い故に思いっきり民家のブロック塀をしこたま削りとりますが、かまいやしません。
可愛い僕が何よりも優先ですからね。
そこから始まったカーチェイス。
何にそんなに腹を立てているのか理解し難いのですが、僕のことを追ってくるではありませんか。
ホント人気者は辛いです。
ってか、もう泣けてきます。
道の脇の植木鉢とか余裕でひいてたものな。
こんなワンダフルボーイに捕まったらパラッパに見取られながら、
さぞかしワンダフルに殺して頂けるのだろうけど、そんな死に方は全くもってゴメンです。
なんとか逃げ切ろうと考えたアイデアは狭い道に入ること。
それはそれは脳足りんなツルツルな脳味噌が生んだアイデアですからね、
狭い道に入って行き止まりにさしかかりましたよ。
死ぬな。こりゃ死ぬ。
車から出たら殺られるかヤられるかどちらにしろ終わると思った。
僕は彼等に車から引きずり出される前に何とかしなくてはなりません。
車を捨てて逃げても構いませんが、携帯からチキンにも110番かけることにしました。
そうでした。
彼女に振られて時計と化した携帯は家に置き去りにしてきたのでした。
今僕という人間が歩んでいるベクトルは間違いなく頭の可哀そうな小僧どもが石とか積んでる川の方向へ向かってると思った。
崩れても崩れても積み重ねられる石を想像して、僕も今からそんな悩みのないジョイフルな生活を送るのかと思うと胸が躍った。
ボインボイン。
ワンダフルボーイにパラッパが刻一刻と一歩一歩が僕の寿命を削り取るかのように近寄って来るではありませんか。
ところが何やらひそひそと話し込んでいて僕を襲わない。
もう覚悟まで決めて股間もジュン・・・
とっとと襲ってくれってなもんです。
ああ・・・
パラッパが僕を見ながら手を振ってるし、
遂に僕の頭が思考の限界を超えて狂い出したのか新手の快楽殺人なのか。
するとゾンビでもしないようなデーハーなと言うよりは蛾の模様が刻印された爪で窓を叩くではありませんか。
恐る々窓を3cmばかり開けてやると・・・
「asuka!asukaでしょ?何やってんの?キャハハハハハ」
もう声を聞いただけで頭が悪いと判断出来る笑い方だったのですよね。
うん。なんてか幼馴染だった。
しかもワンダフルボーイの方は幼稚園時代から悪さをしていた相棒だった。
いつから気づいてたんだよ。
そんな会話をしつつ九死に一生を得た僕なのですが、ワンダフルボーイは出来立てホヤホヤのチンピラになってたものな。
チンコピラピラとかそう言う次元じゃなくて、チンコビンビン物語くらいにいかつかった。
パラッパの方が僕の車を覚えていたらしく気づいたらしいのな。
幼馴染とは年に一度くらい何かの席というよりは酒の席で会っていたのだけれども、
幼馴染がいなけりゃ10数年ぶりに会ったいかついワンダフルボーイの顔なんて見ても分からないもの。
間違いなくかつて同じ幼稚園に通ってた相棒に殺されていたと思う。
大体人間なんてそう簡単に死ぬものじゃないし、死ぬだなんて容易く口に出すべきことではないと思う。
はあ・・・
いやね、話しは変わって苗字が同じってのはホント困るよな。
取引先の人に今日飲む友達と間違えてこんなメールを送ってしまったのよね。
件名:オナニィィィィッスッ![]()
内容:お世話になってやってるぜコンチクショー![]()
今日はあー
飲めるんだろうなあー
はあはあ
はあはあ![]()
チンコから血が出るまで飲もうぜぇー
ドピュドピュ
横ハメ ○○○に18:00ね![]()
縦ハメ
_|ヾ ̄|○ ヒヒィィィィン アヒアヒ
横ハメ
死ぬな。こりゃ死ぬ。
■2005/01/11:代打日記Byなるさん <化粧なんて似合わない>
「君に赤い口紅は似合わないよ」
そのお客は、あたしを顔を見るなりそう言い放った。
ホテルの最上階にあるバーは、夜景を美しく見せるために
室内の照明は最小限に落としてある。
カウンターは間接照明だけ。
テーブルの上には、蝋燭を灯したランプを置く。
ライティングオペレーターが計算し尽くしたという照明は
華やかに化粧を施した女性を、最も美しく見せる明るさの筈。
現に、この店に来る女性は、どの人も蛍光灯の下で見るより
数倍は美しく見えた。
男と女が駆け引きをするには、丁度いい薄暗さかもしれない。
女は、自分をより美しく魅せられるし、
男は、周りの目を気にせずに口説きに集中できる。
店で給仕をするコンパニオンは
ハタチになったばかりの最年少のあたしを含め3人。
男性ではなく、ロングドレスの女性が給仕をするという
スタイルのバーだった。
同伴した女性をオトすために来店する客がほとんどなので
コンパニオンが席に付く必要もなく、
仕事内容はウェイトレスのような簡単なもの。
異なるのは、お酒を出す店に似合う動作と会話と
暗い照明の中で最も映える華やかな、
でも控えめな化粧くらいだった。
この仕事を始める前まで、
ろくすっぽ化粧なんかしたことないあたしにとって、
華やか且つ控えめなどという高等技術が必要な化粧法は
困難を極めていた。
結果、見本である先輩スタッフの化粧に倣って
目元には色を多用せず、アイラインとマスカラを駆使し、
唇には、薄暗い照明に映える鮮やかな色を用いた。
流行のピンクベージュやブラウン系の口紅は
薄暗い中では、顔色を不健康にしか見せないのでNGだった。
必然的に、鮮やかなピンクや赤が無難に用いられ、
先輩たちも、一様に同系の色を使っていたし、
確かにそれが最も美しく見えると思っていた。
普通より劣るくらいのあたしの容姿でも、
この薄暗い照明の中では、
赤い口紅ひとつで少しはキレイに見える。
そう思っていた。
ぽってりと厚いセクシーな唇の先輩は、艶々のピンクに仕上げ
お客の視線を集中させていたし、
ちょっと年齢の高い先輩は、真っ赤なのにいやらしくない、
年齢を重ねてるからこそ似合う色の口紅で
上品な色気を醸し出していた。
薄い唇のあたしは、決して艶っぽいとは言われないが
「ちっちゃくてさくらんぼみたいよ」
という先輩の褒めすぎな形容を真に受けて、透明感のある
赤い口紅をつけていた。
お客の評判も、決して悪くなかったと思う。
なのに。
このお客は、初めての来店で、
オーダーを取りに行ったあたしの顔を見るなり
お酒の注文をする前に、まず、こう言い放ったのだ。
かちんときた。
だけど、顔には出さない。
だって、接客業なんだから。
お客の機嫌を損なわないように、軽く流さなきゃならない。
穏やかに微笑みながら、言葉を返す。
「そうですか?お客様なら、どんな色が良いと思われますか?」
・・・間違えた。
こんな、会話を続ける質問を投げかけるべきじゃなかった。
こういうクレーマータイプのお客には、
返事が簡単に済む話を振るべきだった。
当たり障りなく、
失礼ですが、お飲み物のご注文を伺ってよろしいでしょうか?
そう言うべきだった。
でも、もう遅い。
相手は会話に乗ってきてしまった。
「少なくとも、赤は似合わない。ガキの背伸びにしか見えない」
ますますムカつく。
ええ、ええ。似合わないことくらい判ってますよ。
「さくらんぼみたい」なんて煽てられて赤く塗ってはいるけど
鏡を見る度に、丸い顔に浮き上がる赤い口はコケシを連想するし
先輩達みたいに、自分に似合う色なんてまだ判らないし。
第一、今だって化粧が嫌いで仕事のとき以外はノーメイクだ。
だからいつまで経っても化粧が上手くならないんだろうけど
明るい太陽の下で、似合わない化粧はしたくない。
そして上手い化粧法もよく判らないままこの仕事に就いてしまった。
仕事を始めて間もない頃、
無難だろうとベージュの口紅を塗ってきたら、
マネージャーに
「病人みたいだから、塗りなおせ」
と言われたし。
あたしなりに試行錯誤して、
赤い口紅が一番しっくりくると思って今の色に落ち着いた。
それまでに、何本口紅を無駄にしたと思う?
デパートのコスメショップで試したときと、薄暗いこの店じゃ
色の印象がまったく違って見えるから、
少し派手目かなと思うくらいのものを買っても、
この店の中じゃボケた色にしか見えないこともある。
何本も試した挙句、やっと映える色を見つけたのに。
初めて会ったくせに、何を判ったようなことを言ってるの?
今までの苦労が頭の中をぐるぐる駆け巡って、
次の言葉が出てこない。
とりあえず、飲み物のオーダーを取って、
とっととこの場所を離れたい。
客商売にあるまじき考えだけど、
元々短気なあたしには絶えられない。
「そうですか。・・・ところで、失礼ですが、
先にお飲み物をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
よし、ちゃんと言えた。声は震えてない。
笑顔も出来ているはずだ。
多少引きつっているかも知れないけれど、
どうせ薄暗いし判りゃしない。
ところが、お客は返事をしない。
それどころか、まだあたしの顔を見ている。
全くムカつくったらありゃしない。
ここは、お酒を出す店だとはいえ、
一応、一流と言われるホテルのバーラウンジだ。
女をウリにして、お客の隣に座って酒を勧める店じゃない。
女に興味があるなら、そういう店に行けばいい。
いつまでもじろじろ見てんじゃねぇよ、オッサン!
という気持ちを必死に抑えて、もう一度笑顔で尋ねる。
「まだお決まりではございませんでしたか?」
「じゃ、マンハッタンを頼む」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
やっとオーダーを聞き出して、バーテンダーに伝える。
不機嫌そうなあたしの表情を見て、先輩が話しかけてくれる。
「どうしたの?絡まれてるの?変わろうか?」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
こんなことで、弱音を吐いてちゃ接客業なんてやってらんない。
勘違いした酔っ払いの客に、
いきなり胸を触られたときに比べれば
ずっと楽だ。
それに、なんとなく、あのお客からは逃げたくなかった。
負けたくない、という変な競争心まで湧いていた。
「お待たせいたしました」
テーブルの上にカクテルグラスを置き、
シェイカーからマンハッタンを注ぎいれる。
カウンターからテーブル席まで素早く移動しないと
シェイカーの中の氷が溶けすぎてしまう。
その移動のスムーズさと、グラスに注ぐ高さや、
最後の一滴をきる時の手つきには、ちょっと自信があった。
ツースピックに刺したマラスキノチェリーを添えて
お客の前に、つい、と差し出す。
トレーを片手に、会釈をして立ち去ろうとしたら、
また声を掛けられた。
「君には、このチェリーが何色に見える?」
「はい?」
今度は何を言い出すんだ、このお客は。
マラスキノチェリーと言ったら、
半透明の赤に決まってる。
他の色のなんて見た事もないし、
現に目の前のものも見事な真っ赤だ。
「赤、に見えますが」
「この色、どう思う?綺麗だと思うかい?」
半透明に艶やかに輝くマラスキノチェリーは、
綺麗な色を湛えている。
それに、店では安物は使わないので変色している訳でもない。
何かクレームでもつけようと言うのだろうか。
「はい、綺麗な赤色だと思います」
「本物の、生のチェリーの色は知ってる?」
「ええ、国産のものも、アメリカンチェリーも、
色は異なりますが存じ上げています」
「どっちが綺麗だと思う?」
いらいらしてきた。
このお客は何が言いたいのだ?
単に話し相手を求めているだけなのか、
それとも何か禅問答でも繰り広げたいのか。
「どちらも綺麗な赤色だと思います」
「いや、君は判ってるだろう?」
正直言って、マラスキノチェリーの人工的な赤色や
アメリカンチェリーの毒々しい赤色は好きじゃない。
国産のピンクとオレンジが混じったような形容しがたい色が
一番美味しそうに見えるし、綺麗だと思う。
でも、そんな自分の好みをこのお客に答える筋合いはない。
とっとと会話を終わらせて、仕事に戻りたかった。
「申し訳ありませんが、判りかねます」
そう言って立ち上がろうとした途端、
お客の指があたしの唇に向かって伸びてきた。
ぐいと口紅を拭い取られ、
あまりの突然の行為に身体が固まってしまう。
「君にマラスキノチェリーみたいな人工的な色は似合わないよ」
胸を触られたときよりショックだった。
呆然として動けなくなってしまう。
固まっているあたしを見かねて、
マネージャーが静かに素早くやってきた。
「お客さま、申し訳ございません。
何か粗相がございましたでしょうか」
あたしは何もしていないってば!
だけど、相手は客だ。
カスタマー・イズ・オール・ライト。
お客様はいつでも正しい。
それが接客業の鉄則。
黙っているしかない。
マネージャーに向かって、そのお客は言った。
「ここのライティングは、いつからこうなったんだ?」
「オープン当初からでございます」
「そんなはずはない」
大きな声を張り上げるわけではなく、あくまで穏やかに
けれど威圧感のある声で、そのお客は言い切った。
マネージャーの腰が引けている。
あたしはその場を離れる事も出来ず、
ただ呆然と事の成り行きを見守るしかなかった。
「総支配人に確認してみたまえ」
それだけを言い残すと、部屋番号と名前を伝票にサインして
そのお客は席を立った。
翌日。
いつもどおり店に入ったあたしは、開店前に
ホテルの一階にあるティーラウンジに行くよう申し付けられた。
気が重い。
服装は制服だからまだしも、
この派手なメイクで明るい場所に行くのはとても嫌だ。
更衣室から従業員用エレベーターに乗って、
直接店に入るだけなら、会う人も限られているし、
気にすることはないけれど。
ティーラウンジなんて、
人の出入りが激しい明るい場所には
正直言って、この顔では行きたくない。
「総支配人とマネージャーが待ってるから」
と言われてしぶしぶ向かうと、
そこには昨夜のお客が総支配人達と一緒に待っていた。
どういうこと?
「失礼致します。お呼びでしょうか」
また何か言われそうな気がして、
そのお客には軽く会釈だけをした後は
出来るだけ半身になって
顔を見られないようにテーブルに近付いた。
「どう?恥ずかしいだろ?」
結局声を掛けられてしまった。
なんでこう、ムカつく言い方をするんだろう。
「あの・・・」
「誠に申し訳ありませんでしたっ」
あたしが返事をする前に、マネージャーがそのお客に頭を下げた。
一体何?訳判んない。
総支配人が、改めて、と前置きをしてそのお客を紹介する。
「この方は、当ホテル全館のライティング設計を
してくださった方なんだ」
はい?
まだ意味がよく判らずぽかんと突っ立っているあたしに
席に座るように促して、そのお客は再び口を開いた。
「元々、私が設計したときには、あんなに暗い照明じゃなかった。
ところが、いつの間にか勝手に薄暗く変えられていた。
恐らく、客の嗜好に合わせたんだと思うが、
あれではバランスが台無しだ。
夜景がはっきりと見渡せて、
且つ大切なお客様が最も美しく映える照明。
それがこの総支配人のオーダーだったから、
綿密に計算して設計した。
ところが、久し振りに行ってみるとどうだ。
向かい側に座った相手の顔もろくに見えない。
化粧した女性の肌も、目の色も、唇の色も、
べったりとした単色にしか見えない。
派手な色だけが浮き上がって見えて、
落ち着きも何もあったものじゃない」
あたしは、真っ赤に塗った口を手で覆い隠した。
「昨夜は、乱暴なことをしてすまなかったね」
口を手で覆ったまま
「とんでもないです」
と答えた。
「君みたいに若い人には、そんなに赤い口紅を塗らなくても、
唇の素の色を活かした本当に似合う色がある。
肌の色と唇の色が自己主張し過ぎずに溶け合いながら
お互いを高めあう。
その色合いが蝋燭の柔らかな光に反射して、美しく際立つ。
それが、私の設計したライティングなんだ」
「誠に申し訳ございませんでした。
毎日見ているものですから、徐々に暗くなってしまった
照明の変化に気付きませんでした。
すぐに、元の設計どおりに戻すよう、指示しておきます」
総支配人も、その設計者であるお客に頭を下げる。
「ええ、お願いします。
私も設計した立場として、
手掛けた店は自分の子供のようなものですから、
成長が気になるんですよ。
下品になったり不良になって欲しくない」
冗談めかしながらも、自分の生み出した作品を歪められるのは
一切許さないといった強い姿勢だった。
「君。」
と、あたしに向き直って、彼は言った。
「人工的で派手な化粧なんて似合わなくていいんだよ。
自分をきちんと持ちなさい。
それが、表情にも仕草にも現れて来たとき、
女性は最も輝く。
君は相当気が強そうだから、その資質はありそうだしね。
赤い口紅を注すのは、
もっと経験を重ねた大人の女性になってからだ。
気取った作り笑顔もしなくていい。
自分の顔を好きになりなさい。
そうしたら、もっと素敵な笑顔が出来るようになる。
口紅の下にある君の唇の色は、
笑顔と共に本物の輝きを増すはずだよ。
シロップに漬け込んだマラスキノチェリーなんかより、
ずっと艶やかで美味しそうな生のさくらんぼみたいにね」
「それに、その唇は、口紅で隠すのは勿体無いと思うよ」
それは言い過ぎです、お客さま。
ま、褒められて悪い気はしないけどね。
・・・あれ?あたし、なんか調子付いてる?
化粧なんて似合わなくたって構わない。
蛍光灯にも蝋燭の灯にも負けない
「自分」を持っていればそれでいい。
口紅を拭き取って、透明なグロスだけを塗り直した。
揺れる蝋燭の灯りが、唇に反射して輝く。
いつもより背筋を伸ばして顎を上げて、
いつもより明るい照明の下に、立つ。
化粧の技術を磨くより、
とびきりの笑顔が出せるようになればいい。
そう、これが、あたしなんだから。
赤い口紅は、まだ要らない。
■2005/01/07:全国not1人オフ第二弾 in 福岡 視聴者さなえ貴婦女の声
福岡オフ−第2夜−
1月3日、18時。着信。
「もう居ますー?僕、目が悪くてわからないんですよねー。
どこにいるかわかるかなぁ、ちょっと手を振ってみますねー」
そして、辺りを見回す私の目に止まったのは、
私に背を向けるかっこうで、あらぬ方向に手を振っている男性だった…
無事に会うことができ、テキトーなところでお店に入る。
この日の午前中に初詣に行った私は、敬愛するサイト管理者さまにと
『今年は良いご縁がありますよう』縁結びのお守りを買っていた。
乾杯の後に、早速それを渡す。
「これ…なんかエロいっすねぇ(ニヤニヤ)」
え?それのどこが?
「なんかこう…このふくらみとか(ニヤニヤ)
これ、アップしていいすか?(ニヤニヤ)」
いや、いいんですけど…
飲みつつ食べつつよもやま話をしていると、
昨夜のオフの際に忘れ物をしていたJESSICAさんから電話。
取りに来がてら、参加してくださる様子。ワクワク。
「じゃあ、店の場所ねー。ちょっと待って」
敬愛するサイトの管理者さまは、
お店の人に場所や名前を聞いているけれどあまり要領を得ない様子…
そして、電話とお店の地図をポイと私に渡すと、「ちょっと説明して♪」
おぼつかない私の説明でわかったかなぁ…と不安になるのもつかの間
またもや管理者さまに着信アリ。
高校からのお友達が、何やら今から参加の様子。ワクワク。
「場所はねー、ちょっと待って。ハイ」
…もう、問答無用で説明係ですか、そうですか。
だらだら話しているうちに、おふたり到着!
JESSICAさんは小柄で目がぱっちりしたかわいい女子。
お友達はゴツイ雰囲気ながらも、優しい笑顔のナイスガイでした。
4人で、オフ再開!
そうそう、忘れないうちにアレをしてもらわなくちゃ。
あの、握手してもらっていいですか?
「え、ああ、いいけど…」
気乗りしないのなら無理強いはしませんけど…?
「いや、こんな何度もチンコ触った手でいいのかなぁと思って。なんか申し訳なくて」
たった今、そこで触ってたわけじゃないですよね?
じゃ、それがどんなに真実に近くても今ここで言わなくていいですから。
そんなこんなで、楽しく1次会終了。
そして、怒涛の2次会の幕開け。
それぞれ歌ったり休んだりしている折に
ふと管理人さんを見ると、もう精根尽きているような雰囲気…
疲れたんじゃないですか。大丈夫?
「もう寝たい」
ですよね。明日早起きだし。
「つかオナニーしたい」
は?
30年以上生きていますが、そんな願望を口にする人に初めて出会いました。
かくして、死にそうな管理人さんとそのお友達、
飲んでも歌っても元気いっぱいのJESSICAさん、
そして、これから1時間かけて帰宅するだけの余力しか残っていない私の
2時間に及ぶ2次会はお開きになりました。
その後、どうにもおいしいとは言えないラーメンを食べてから
私が駐車している場所までみなさんに送っていだたきました。
そして、そこでみなさんとお別れ。
楽しかったです、ありがとう。また機会があればぜひ。
午前2時55分。
少し暖気してから駐車場を出ると、交差点に管理者さまとお友達の姿が。
タクシー捕まらないのかな。もしかすると出てくるの待ってたのかな。
大丈夫ですか?タクシー捕まります?
「大丈夫よ。出てくるの遅いけんウンコでもしようかと思った」
信号が変わると同時に、速攻発進。
家に着くとすぐに、無事帰宅した旨のメールを管理人さまに送信し眠りにつきました。
そして、お昼前に目覚めた私の携帯に返信が。
「よかったです。この知らせが何より朗報でした」
asukaさん、JESSICAさん、asukaさんのお友達さん
本当に楽しいひとときをありがとうございました。
そして、つたないレポを読んでくださったみなさまにも感謝いたします。
この後に続くであろう『全国not1人オフ』の成功を祈っています。
■2005/01/06:踊る小人
彼女の顔つきが変わりはじめたのはその時だった。
最初に鼻の穴からぶよぶよとした白い何かが這い出てくるのが見えた。
蛆だった。
これまでに見たこともないほど巨大な蛆だった。
両方の鼻腔から蛆は次々に這い出し、むかつくような死臭が突然あたりを覆った。
蛆は唇から喉へと転げ落ち、あるものは目をつたって髪の中へともぐりこんだ。
鼻の皮膚がずるりとめくれ、なかの溶けた肉がぬるりとまわりに広がり、あとにはふたつの暗い穴がのこった。
蛆の群れはなおもそこから這い出ようとして、腐った肉にまみれていた。
両目から膿が吹き出していた。
眼球が膿に押されて二、三度ぴくぴくと不自然に震えたあとで、顔の両脇にだらりと垂れた。
その奥の空洞の中にはまるで白い糸玉のように蛆がかたまっていた。
腐った脳味噌に蛆がたかっていた。
舌が巨大なナメクジのようにずるりと唇から垂れ下がり、ただれて落ちた。
歯茎が溶解し、白い歯がぼろぼろとこぼれた。
やがて口そのものも溶けて落ちた。
毛根からは血が吹き出し、毛がばらばらと抜け落ちた。
ぬるぬるとした頭皮のあちこちを食い破って蛆が顔を出した。
それでも女は僕の背中にまわした腕の力をゆるめなかった。
僕は女の腕をふりほぐすこともできず、顔をそらすこともできず、目をつぶることさえできなかった。
胃の中のかたまりが喉もとにまで上がってきていたが、それを押し出すこともできなかった。
体じゅうの皮膚が全部裏返しになってしまったような気がした。
耳元で小人の笑い声が聞こえた。
夢の中で小人が出てきて、僕に踊りませんかと言った。
それが夢だということはちゃんと分かっていたのだけれども、
それでも夢の中でも僕は疲れていたので、
『申しわけないけれど疲れていて踊れそうにない』
と丁重に断った。
小人は別にそのことで気を悪くしたりはしなかった。
小人は一人で踊った。
「君はホントに踊りがうまいね」
『ありがとう』
「そんな具合にいつも踊っているのかい?
『まあそうだね。』
『話せば長いんだけれど』
と小人は言ってちらりと僕の顔を見た。
『あんたは多分あまり時間がないんだろうね。』
僕はなんと答えようか迷った。
時間はいくらでもあったけど、小人の長い身の上話を聞かされるというのもちょっとうんざりだし、
それにだいたいこれは夢なのだ。
夢なんてそれほど長い時間見るものではない。
いつ消えてしまうかもしれないのだ。
『北の国から来たんだ』
と小人は僕の返事を待たずに勝手にしゃべりはじめた。
『北の国のでは誰も踊らない。誰も踊り方を知らない。誰も踊りなんてものがあることじたいを知らない。
でもあたしは踊りたかった。
足を踏み、手をまわし、首を振り、ぐるりとまわりたかった。
こんな風にね。』
小人は足を踏み、手をまわし、首を振り、ぐるりとまわった。
よく見ていると、足を踏むのと手をまわすのと首を振るのとぐるりとまわるのが、
まるで光の球がはじける時みたいに、一世に体から吹き出していた。
ひとつひとつの動作はそれほどむずかしいものではないのだけれど、
四つが一緒になると、信じられないくらい優美な動きになった。
『こんな風に踊りたかった。
それであたしは南に来た。
南に来て踊り手になり、酒場で踊った。
あたしの踊りは評判になり、皇帝の前でも踊った。
そうあれはもちろん革命の苗前の話しだけどね。
革命が起こって、あんたも知ってのように皇帝がお亡くなりになり、あたしも町を追われた。
そして森の中で暮らすようになった。』
「そろそろ行かなくちゃいけないみたいだ」
『いいさ』
「もう会えないかもしれないけど、元気でね」
『いいや』
「どうして?」
『あんたはまたここに来ることになるからさ。
ここにきて、森に住み、そして来る日も来る日もあたしと一緒に踊りつづけるのだよ。
そのうちにあんただってとても上手く踊れるようになる』
「何故僕がここに住んで君と踊ることになるんだい?」
『決められているからだよ。』
『もう誰にもそれを変えることはできないんだ。
だからあたしとあんたはいずれまた顔をあわせることになる』
『それでは』
そして僕に背中を向けてまた一人で踊りはじめた。
作業場では全部で三十人くらいの男女が働いていた。
建物の中はうす暗かったし、みんな帽子をかぶったりマスクをつけたりちりよけ眼鏡をかけたりしていたので、
新入りの女の子がどこにいるのかさっぱり分からなかった。
中に一人僕のかつての同僚がいたので、僕はその男に新しい女の子ってどれだいと訊ねてみた。
『十五番台で爪つけをしてる子』と彼は教えてくれた。
『でもくどくつもりならあきらめたほうがいいぜ。亀甲石みたいに固いからな』
「ありがとう」と僕は言った。
「失礼」と僕が声をかけると、彼女は僕の顔を見て、制服を見て、足元を見て、また顔を見た。
それから帽子をとり、ちりよけ眼鏡をとった。
彼女は確かにすごい美人だった。
髪の毛はちりちりとして長く、瞳は海のように深かった。
『なんでしょう?』と女の子は言った。
「もし暇だったら明日の土曜日の夜踊りに行かない?」と僕は誘ってみた。
『明日の夜は暇で踊りに行くつもりだけど、あなたとは行かないわ」と彼女は言った。
「誰かと約束があるんだね?」と僕はきいた。
『約束なんて何もないわよ』と彼女は行った。
そしてまた帽子をかぶり、ちりよけ眼鏡をかけ、机の上の象の爪を手にとり、足の寸法をはかった。
爪の幅がほんの少しだけ大きかったので、彼女はのみをとって爪を削った。
「約束がないんなら僕と一緒に行こうよ」と僕は言った。
「夕食のうまい店も知ってるしさ」
『結構よ。私は一人で踊りに行きたいのよ。もしあなたも踊りたいのなら、好きにくればいいじゃない』
「行くよ」と僕は言った。
『お好きに』と彼女は言った。
その夜、夢の中にまた小人があらわれた。
小人は森の広場のまん中にある丸太の上に腰をおろして煙草を吸っていた。
僕はとくにやることもなかったので、小人のまわりをぶらぶらと歩き、空を見上げ、それから小人の隣に腰を下ろした。
「やあ」と僕は小人に声をかけた。
『やあ』と小人は答えた。
「今日は踊らないんだね?」と僕はたずねた。
『今日は踊らない』と小人は言った。
「具合でも悪いの?」と僕はきいてみた。
『ああ』と小人は言った。
『気分が良くないんだ。森はひどく冷えるからさ。
ずっと一人で住んでいると、いろんなことが体にこたえるようになる』
『活力が必要なんだ。体にみなぎる新しい活力がね。
いつまでも踊りつづけることができて、雨に濡れても風邪をひかなくて、
野山を駆けまわることが出来る新しい活力がね。それが要るんだ。』
「ふうん」と僕は言った。
『ところで』と小人は言った。『あんたは何かあたしに頼みごとがあるんじゃないのかい?』
「頼みごと?」と僕はびっくりして聞き返した。
「なんだい、頼みごとって?」
『女の子のことだよ。あの子が欲しいんじゃないのか?』
どうして小人があの子のことを知っているのか分からなかったが、夢の中ではまあいろいろなことが起こる。
「そりゃあ欲しいけどね。だからってあんたに頼んでどうなるってもんでもないだろう。
自分の力でなんとかするしかないさ」
『あんたの力じゃなんともならんさ』
「そうかい」と僕はちょっとムッとして言った。
『そうとも。なんともならんよ。あんたがいくら腹を立てたって、なんともならんものはなんともならん』と小人は言った。
そうかもしれない、と僕は思った。
僕はどこをとってもごく普通の男だし、口もうまくないし、金持ちでもない。
あれほどの美人をくどきおとせるとも思えなかった。
『でもあたりがちょっと力を貸せばなんとかなるかもしれんよ』と小人はそっと囁いた。
「どんな力?」と僕は好奇心に駆られてたずねてみた。
『踊りだよ。あの子は踊りが好きだ。
だからあの子の前でうまく踊りさえすれば、あの子はもうお前さんのものだよ。
あんたはあとは木の下に立って果実が勝手に落ちてくるのをじいっと待ってりゃいいのさ。』
「あんたが踊りを教えてくれるのかい?」
『教えてもいい』と小人は言った。
『でも一日や二日教えたくらいじゃ、どうしようもないね。
毎日みっちりとやって最低半年は必要だよ。
それくらいは練習しなきゃ人の心を捉える踊りはできやせんさ』
僕はがっかりして首を振った。
「そんな時間はないよ。半年も待ってたらどこかの男が彼女を口説きおとしちゃうもの」
『いつ踊るんだね?』
「明日」と僕は言った。
「明日の土曜の夜、彼女は舞台上に踊りに行く。僕も行く。そこで彼女に踊りを申し込むんだ。」
小人は短くなった煙草を唇から地面にふっと吹き落とし、足で踏んでつぶした。
『手段はないじゃない。もし本当にその女が欲しきゃな』と小人は言った。
「欲しいね」と僕は言った。
『どんな手段か聞きたいかい?』と小人は言った。
「聞かせてくれよ」と僕は言った。
『あたしがお前さんの中に入るんだ。
そしてお前さんの体を借りてあたしが踊るんだ。
あんたなら体は丈夫そうだし、力もありそうだからな。なんとか踊れるだろう。』
「体のことなら誰にも負けやしないけどさ」と僕は言った。
「でも本当にそんなことができるの?僕の中に入り込んで踊るなんてさ」
『できる。それにそうすればあの子はもう確実にお前さんのもんさ。それで万事めでたし』
僕は舌の先で唇を舐めた。
なんだか話がうますぎる。
一度小人を中に入れてしまったらそれっきりもう二度と外に出てこなくって、
結局僕の体が小人にのっとられるってことも十分あり得るのだ。
いくら女の子と寝るためだってそんな目には絶対あいたくない。
『心配なんだな、お前さん。』と小人は僕の心を見透かすように言った。
『体をのっとられるんじゃないかってさ』
『でも心配はいらん。
いくらあたしだってそんなに簡単に永劫に他人の体をのっとることは出来ないよ。
そうするには契約というものが必要なんだ。
つまりお互いに納得ずくでなくちゃ、そういうことはできんのさ。
あんた、永劫に体をのっとられたかないだろ?』
「もちろん」と僕は身震いして答えた。
『しかしまああたしとしてもまったくの無償であんたの口説きに力を貸すというのもどうも面白くない。
そこでだ。』
と小人は小指を一本あげた。
『ひとつ条件がある。それほどむずかしい条件じゃないが、とにかく条件だ。』
「どんな?」
『あたしがあんたの体の中に入る。
そして舞踏上に入って女を誘い、踊ってたぶらかす。
そしてあんたは女をモノにする。
そのあいだお前さんはひとことも口をきいちゃならん。
声を発してもならん。女を完全にモノにしちまうまではさ』
「もし声を出したら?」と僕は訊ねてみた。
『その時はあんたの体をもらう」と小人はこともなげに言った。
「もし声を出さずにうまくやりとおしたら?」
『女はあんたのもんさ。あたしはあんたの体を出て森に戻る』
僕は深いため息をつき、いったいどうすればよいものなのか思案した。
「のるよ」と僕は言った。「やってみることにしよう」
『決まり』と小人は言った。
彼女が舞踏場の入り口に姿を見せたのは、時計の針がもう九時をまわった頃だった。
彼女はキラキラと光るタイトなワンピースを着て、黒いハイヒールをはいていた。
舞踏場ぜんたいが白くかすんでどこかに消えうせてしまいそうなくらい輝かしくて、セクシーだった。
何人かの若い男たちが目ざとく彼女の姿を見つけてエスコートを申し出たが、腕のひと振りで軽く追い払われた。
彼女は誰とも組まずに一人で踊った。
オーケストラはタンゴを演奏していた。
彼女は見事にタンゴを踊った。
そばで見ているとうっとりしてしまうような踊りだった。
彼女が身をかがめると、長いちぢれた黒髪が風のようにフロアを舞い、
ほっそりとした白い指が空気の現をさらさらとかきならした。
彼女は何の気がねもなく、一人っきりで、自分のために踊っていた。
僕はほとんど意識もしないうちにテーブルから立ち上がり、ダンス・フロアに向かって歩いていた。
そして何人かの男たちを押しのけながら前に出て、彼女のわきに立ち、かちんと靴のかかとをあわせて、
これから踊るということをみんなに示した。
彼女が踊りながらちらりと僕の顔を見た。
僕はにっこり笑いかけた。
彼女はそれにはこたえず、一人で踊りつづけてた。
僕ははじめのうち、ゆっくりと踊った。
それから少しずつ少しずつスピードをあげ、ついにはつむじ風のように僕は踊った。
僕の体はもう僕の体ではなかった。
僕の手や足や首は、僕の思いとは無関係に、奔放にダンス・フロアの上を舞った。
そんな踊に身をまかせながら僕は星の運行や潮の流れや風の動きをはっきりと聞きとることができた。
ダンスとはそういうものなのだという気がした。
僕は足は踏み、手をまわし、首を振り、ぐるりと回った。
ぐるりとまわると頭の中で白い光の球がはじけた。
女はちらりと僕を見た。
彼女は僕にあわせてぐるりと回り、足をどんと踏んだ。
彼女の中でも光がはじけるのが、僕には感じられた。
僕はとても幸せな気持ちになった。
そんな気持ちになったのは生まれてはじめてのことだったt。
我々は何時間も何時間も踊つづけた。
僕が踊りをリードし、彼女が応えた。
それは永遠にも感じられる時間だった。
やがて彼女は精も根尽きたという格好で踊をやめ、僕の肘をつかんだ。
僕も−あるいは小人もと言うべきなのだろうが−踊をやめた。
そしてフロアの真ん中で、我々はつっ立ったままぼんやりとお互いの顔を見つめた。
彼女は身をかがめて黒いハイヒールを脱ぎ、それを手にぶらさげてもう一度僕の顔を見た。
我々は舞踏場を出て、川に沿って歩いた。
坂を上りつめたところに、広い草原があった。
草原はまわりを松の林にかこまれ、まるで静かな湖のように見えた。
やわらかい草が腰の高さまで均等に茂り、夜の風に吹かれて踊るように揺れていた。
ところどころに光る花弁を持った鼻が頭を出して、虫を呼んでいた。
僕は彼女の肩を抱いて草原のまん中あたりまで歩き、何もいわずに彼女をそこへ押し倒した。
「ほんとに無口な人ね」と言って彼女は笑い、ハイヒールをそのへんに投げ捨て、僕の首に両腕をまわした。
僕は彼女の唇に口づけしてから体を離し、もう一度彼女の顔を眺めた。
彼女は夢のように美しかった。
彼女をこんな風に抱くことができるなんて、自分でもうまく信じられなかった。
彼女は目を閉じて、僕の口づけを待ち受けているようだった。
僕は悲鳴をあげるために思い切り行きを吸い込んだ。
誰でもいいから、誰かにこの地獄からひっぱり出して欲しかった。
しかし僕は結局は叫びはしなかった。
ほとんど直感的に、こんなことが本当に起こるわけはないと思った。
僕はそう感じた。
これは小人によってもたらされたただびなやかしなのだ。
僕は覚悟を決めて目を閉じた。
僕は思い切って女の体に手をまわし、こちらに引き寄せ、その腐乱した肉のかたまりの、
かつて口があったと思われるあたりに唇をつけた。
ぬるりとした肉片、ぶつぶつとした蛆のかたまりが僕の顔に触れ、耐え難いほどの死臭が僕の鼻腔に飛び込んできた。
しかしそれは一瞬のことだった。
目を開けたとき、僕はもとの美しい女と口づけをかわしていた。
『お前さんの勝ちだよ。』と小人はぐったりした声で言った。
『女はお前さんのものだ。あたしは出ていく』
そして小人は僕の体から抜け出した。
『しかしこれで終わったわけじゃない。』と小人は続けた。
『あんたは何度も何度も勝つことができる。しかし負けるのはたった一度だ。
あんたが一度でも負けたら全て終わる。
そしてあんたはいつか必ず負ける。
それでおしまいさ。
いいかい、俺はそれをずっとずっと待っているんだ』
「何故僕じゃなきゃいけないんだ」と僕は小人に向かって叫んだ。
「何故他の誰かじゃいけないんだ」
しかし小人は答えなかった。
笑っただけだった。
小人の笑い声はしばらくあたりを漂っていたが、やがて風に吹かれて消えた。
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村上 春樹 『蛍・納屋を焼く・その他の短編 踊る小人』より。
■2005/01/02:全国not1人オフ第二弾 in 福岡
出現地:天神イムズ正面玄関
時刻:17:00〜18:00くらいまで。
内容:そこら辺の飲み屋で酒を渇喰らふ。
当日の携帯アドレス:not_one_in_fukuoka@docomo.ne.jp
回想日記
in 福岡
人数: 人数:4人(最終日は高校の友達が来てました。)
JESSICAさん、小川君、小川君の彼女、さなえさん。
感想:
福岡オフ−第2夜−
1月3日、18時。着信。
「もう居ますー?僕、目が悪くてわからないんですよねー。
どこにいるかわかるかなぁ、ちょっと手を振ってみますねー」
そして、辺りを見回す私の目に止まったのは、
私に背を向けるかっこうで、あらぬ方向に手を振っている男性だった…
無事に会うことができ、テキトーなところでお店に入る。
この日の午前中に初詣に行った私は、敬愛するサイト管理者さまにと
『今年は良いご縁がありますよう』縁結びのお守りを買っていた。
乾杯の後に、早速それを渡す。
「これ…なんかエロいっすねぇ(ニヤニヤ)」
え?それのどこが?
「なんかこう…このふくらみとか(ニヤニヤ)
これ、アップしていいすか?(ニヤニヤ)」
いや、いいんですけど…
飲みつつ食べつつよもやま話をしていると、
昨夜のオフの際に忘れ物をしていたJESSICAさんから電話。
取りに来がてら、参加してくださる様子。ワクワク。
「じゃあ、店の場所ねー。ちょっと待って」
敬愛するサイトの管理者さまは、
お店の人に場所や名前を聞いているけれどあまり要領を得ない様子…
そして、電話とお店の地図をポイと私に渡すと、「ちょっと説明して♪」
おぼつかない私の説明でわかったかなぁ…と不安になるのもつかの間
またもや管理者さまに着信アリ。
高校からのお友達が、何やら今から参加の様子。ワクワク。
「場所はねー、ちょっと待って。ハイ」
…もう、問答無用で説明係ですか、そうですか。
だらだら話しているうちに、おふたり到着!
JESSICAさんは小柄で目がぱっちりしたかわいい女子。
お友達はゴツイ雰囲気ながらも、優しい笑顔のナイスガイでした。
4人で、オフ再開!
そうそう、忘れないうちにアレをしてもらわなくちゃ。
あの、握手してもらっていいですか?
「え、ああ、いいけど…」
気乗りしないのなら無理強いはしませんけど…?
「いや、こんな何度もチンコ触った手でいいのかなぁと思って。なんか申し訳なくて」
たった今、そこで触ってたわけじゃないですよね?
じゃ、それがどんなに真実に近くても今ここで言わなくていいですから。
そんなこんなで、楽しく1次会終了。
そして、怒涛の2次会の幕開け。
それぞれ歌ったり休んだりしている折に
ふと管理人さんを見ると、もう精根尽きているような雰囲気…
疲れたんじゃないですか。大丈夫?
「もう寝たい」
ですよね。明日早起きだし。
「つかオナニーしたい」
は?
30年以上生きていますが、そんな願望を口にする人に初めて出会いました。
かくして、死にそうな管理人さんとそのお友達、
飲んでも歌っても元気いっぱいのJESSICAさん、
そして、これから1時間かけて帰宅するだけの余力しか残っていない私の
2時間に及ぶ2次会はお開きになりました。
その後、どうにもおいしいとは言えないラーメンを食べてから
私が駐車している場所までみなさんに送っていだたきました。
そして、そこでみなさんとお別れ。
楽しかったです、ありがとう。また機会があればぜひ。
午前2時55分。
少し暖気してから駐車場を出ると、交差点に管理者さまとお友達の姿が。
タクシー捕まらないのかな。もしかすると出てくるの待ってたのかな。
大丈夫ですか?タクシー捕まります?
「大丈夫よ。出てくるの遅いけんウンコでもしようかと思った」
信号が変わると同時に、速攻発進。
家に着くとすぐに、無事帰宅した旨のメールを管理人さまに送信し眠りにつきました。
そして、お昼前に目覚めた私の携帯に返信が。
「よかったです。この知らせが何より朗報でした」
asukaさん、JESSICAさん、asukaさんのお友達さん
本当に楽しいひとときをありがとうございました。
そして、つたないレポを読んでくださったみなさまにも感謝いたします。
この後に続くであろう『全国not1人オフ』の成功を祈っています。
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